3/24から28までクックパッドのインターンシップに参加してきた.あんまり写真は無いけれども,一人の参加者として考えたこととか感じたことを書いていこうと思う.

参加前

ESとウェブテストを受けて合格の連絡を貰うとともに,人事の方に「iOSかAndroidのネイティブアプリの開発をしてもらいたいのですが」と言われ,iOS開発の方を選ぶ.インターン参加の連絡を受けてから1ヶ月近くは,とにかくiOS開発の勉強に追われた.結果から言うと参加者の大半はネイティブアプリ開発の初心者だったのだが,それぞれの技術力は高く,自分としても準備しておいて良かったと本当に思った.

インターン期間中

1日目は全員が集まってまずは自己紹介.参加者は合計で11人.個性豊かなメンツが揃っていて,上は博士後期課程から下は高専生,ガチなプログラマーがいたり,はてなインターンの経験者がいたりと,本当にバリエーションに富んでいて面白かった.

開発環境などのセッティングを済ませて,その後は複数の社員の方からクックパッドの社内でのものづくりの考え方や具体的なエンジニアリングについての話を聞く.クックパッドといえば(個人的には)トップレベルのウェブエンジニアの集まりという印象を持っていたけれども,実際にはユーザを中心としたサービスを支えるための技術というハッキリとした意図が見えて良かった.

1日目午後から最終日までは,ひたすら自分で決めたテーマのアプリ開発.ここからはとにかく時間に追われながらの作業で,最終日までに実機で動くアプリを作成するのに精一杯だった.iOSやAndroidアプリは往々にしてウェブサービスのインターフェイスとしての要素が強く,逆に言えばアプリのコードだけ書いてもコンテンツが無ければ何も面白く無い場合が多い.そのため,参加者はそれぞれ既存のウェブサービスのAPIを探したり独自でAPIサーバを立てるなど,アプリに入る以前にそれらを利用・開発することが求められる.それに加えてアプリには当然ながらデザインが欠かせない要素としてあって,いかにUI/UXな部分を洗練させて操作画面の構成やアイコンなどを作り上げなければいけなく,アプリ開発中は本当に一人で何でもやる必要があった.

料理

4日目の昼飯は,僕が進んで申し出て料理を作った.当日の進捗報告でインターフェイスについてコテンパンにされた直後に自分だけキッチンに立って他の参加者の作業を尻目に料理していたわけだけど,結果的にはみんなに美味しいと言ってもらえて最高に嬉しかった.

作ったのは「チョリソーと夏野菜のラタトゥイユ」と「鶏肉の香草焼きとマッシュルームの付け合わせ」.あとは生ハム&チーズ&クラッカー的なやつとバケットと一緒に食べた.11人分作る必要があって死にそうになったけど,結果的に作りたての料理をテーブルに並べることができて我ながら良い出来だと思った.

作ったiOSアプリ

さて,自分は今回「NICOMI」という日常のちょっとした変化を撮り続けるカメラアプリを作成した.詳しくは発表資料を参照.アプリを公開とかはしません.

なんで今さらカメラアプリなんて作りたかったということを少し書きたい.

スマホのカメラアプリは既にInstagramやVineなどの独擅場になりつつあるが,それらは被写体が面白いものであったり何か強烈なメッセージを発している場合が多い.しかもそれは単体でコンテンツになりうることが殆どだ.そういうモノに対して人はカメラを向けるのは至極真っ当なんだけど,本当はそれ以外にも日常の風景や些細なモノを写真に撮りたいと感じているはずだと思う.だけど,それを撮るには理由がない.iPhoneの中によくわからない空の写真や町中の写真が一杯詰まってても奇妙に思うだけだろう.しかし,なにか理由があればそれは正当化される.写真の背景にあるストーリーがあれば,「これはこういうアプリがあって,そのために撮ったんだよ」と人に説明できる.そういう理由付けとしての日常のちょっとした変化をテーマにしてユーザに提供するアプリが作りたかった.当初は完全に運営側がユーザに撮ってもらうテーマを提供する予定だったが,それだと面白くないということで,ユーザからもテーマを投稿できるようにもした.

それに,変化を楽しむというのも重要なポイントとしてある.誰も友達が数日前・数週間前・数ヶ月前に撮った写真のことなんて覚えていない.覚えてても,それを紐づけることは難しい.だから,定期的に写真を撮るというモチベーションを与えつつ,それを一覧できるサービスを作りたかった.結果的にただの写真まとめアプリみたいになったけれども,なんか考えていることを形にできたので自分としては満足している.

成果発表

他の参加者のアイデアも本当に面白いものばかりで,開発期間中にもっと話して議論したかったと真面目に後悔するレベルだった.アプリのインターフェイスが独創的だったり,操作を極力減らしてn-stepを1-stepにするものだったりと,自分では考え付かないようなことがばかりで素晴らしかった.それこそ利益化につながらないかもしれないし,それだけではユーザが付かないかもしれないけれども,アイデアの原石としては光るものが確かにあった.

これから1年後や5年後に台頭してくるサービスがあったときに「それ自分も考えてたよ」なんて言うのは簡単だけれども,そのありふれたアイデアを実際にブラッシュアップしていくことが,将来の人々の本当の価値に繋がるんじゃないかと思う.そういう意味で,いろんなバックグラウンドの人が考えたいろんなアイデアを聞くのは本当に楽しいし,そこで既存サービスを引き合いにだして将来性の無さを嘆くんじゃなくて,足し算や引き算を繰り返して洗練したものは,きっと純粋に面白いサービスになると僕は信じている.

さいごに

このインターンは本当にいろんな人にお世話になりました.インターン全体のサポートとして参加者と密にコミュニケーションを取ってくださった@mrknさんや人事の方を始め,参加者に着きっきりで技術面のサポートをしてくれたメンターのお二人,そして同じ時間同じ場所で切磋琢磨し合った参加者の皆様,本当にありがとうございました.

おまけ

懇親会終わりのマックスの疲労とテンションの高さも相まって道路脇のコーンを抱える@moznion氏.

他の参加者のレポート