「プロのための Linuxシステム・10年効く技術」はまだ読んでいる最中だが,Linux中級・上級者向けの解説書として非常に良さそうな印象を受ける.普段自分が扱う範囲のシェルコマンドやLinuxの基本的な知識は問題無いけれども,そこから次に行けないといった人,コマンドの詳細な動作を理解していない人,システムの込み入った問題になると手が出せないような人向けのような感じだ.本書の内容としては,Linuxの内部構造から始まり,仮想化,シェルスクリプトの書き方,最後にはカーネルのソースまで読み解くところまで突き進むが,ざっと見た限りでは他の技術書などと比べてかなりわかりやすく丁寧に書かれているようだ.読み通す気力は無くとも,トピックをかいつまむだけでもだいぶ基礎力が付くだろうと思う.
「覚えて便利 いますぐ使える!シェルスクリプトシンプルレシピ54」も上の本と同様に,シェルスクリプトは書けるけれども少し複雑なことをしようとすると途端に手が止まってしまうような人向けのレシピ本になっている.内容は非常によく纏まっており,ざっと見ても知らないコマンドやすぐ使えそうなコマンドがいくつかあった.まあ個人的には,がっつりシェルスクリプトを書くというのはスパコンでSGE(UGE)アレイジョブを流す時くらいなのだが….といっても,もっとスマートに簡潔に書きたいと常々思いつつ結局泥臭い感じでその場しのぎを繰り返していたので,今度からはレシピ本を見つつ少しずつ書き方を変えていきたいところ.
「Software Design」と「WEB+DB PRESS」はいつも通り気になるところをざっと読み流し.やっぱり雑誌という紙媒体で様々な情報を纏まった形として俯瞰できるというのは,知りたい情報だけを見るようなネットの記事と比べて,思いがけず得られる情報というものが多くて良い.全く知識の無い分野の内容でも不思議と読んでみるかという気になるのは,やっぱり紙の雑誌だからだろうか.