タイトルそのままに,アメリカ合衆国で活躍する女性を紹介した本書.自伝のあらすじを並べたような短さと簡潔さで,ざっと読んでもそれぞれの登場人物の生き様を感じることができる.その中でも女性の力強さには毎度,いや1ページごとに驚かされる.男性社会におけるガラスの天井,人種差別,両親の離婚や貧困に起因する複雑な少女時代,そのどれもが逆境として描かれる.それをすべて現在の活躍の糧だと考えるのは行き過ぎかもしれないし,そういう環境で育った人間はすべからく偉大な一人になれるかといえば必ずしもそうではない.彼女らは一握りのイレギュラーであることに間違いない.そして一人の象徴される人間の裏には大多数のサイレント・マジョリティ,もしくは芽の出ない才能を持った女性が多数いたことだろう.その中で出る杭となって出てきた彼女らの功績は賞賛されるべきものであり,まさに「めっちゃスゴい」人生だ.

雑誌に連載されていたコラムのためか,それぞれの記事の情報量には物足りなさを感じる部分もある.しかしながら,本書は次へ進むきっかけと捉えて,より深く知りたいと考えるには充分だと思う.少なくとも私は,紹介されているコメディアンの出演するドラマを見たくなったし,現役で活躍するCEOの会社の今後が楽しみになったし,そういった女性が活躍する土壌を持つアメリカの文化をより知りたくなった.それにしても55人(実際には+2人)の人生を一度に眺めるのはなかなか大変だ.まずは興味を持ったところから調べ始めよう…….



この前のインターンで座った椅子が思いの外良い体験だったので,増税前にと自分も一式揃えてしまった.

POÄNG/ポエング シリーズ - IKEA

購入したのは,アームチェアとフットスツールとフロアランプ.私の場合は実際にIKEAの店舗に行って購入したのだけれども,トータルで15,000円くらいに送料2,000円くらいだった.これをソファと考えると,かなりお手頃な値段と言える.

そもそも自分は普通の机で作業していると,つい前のめりになって無意識に肩に力が入ってしまう癖がある.なので集中しているといつの間にか肩こりがヤバくて,それに伴う頭痛というコンボがかなりの悩みの種だった.エンジニアが椅子にこだわるように,コレばかりはアーロンとかエンボディとかリープとか良い椅子買ったりしないと駄目なのかなーと思っていたのだけれども,今回この深く座る型のアームチェアに座ったら見事に様々な問題が解消されて,こんな解決方法があったのかと「エウレカ!」状態だった.ソファみたいな椅子に深くすわることによって,自然と前傾姿勢が取れなくなり,肩に力が入らなくなる.それにラップトップの画面と顔との距離も適度に離れるので,目にも優しい.あとは足を放り出す体制なので,足を組む癖も解消される.まさに自分にピッタリな椅子だった.強いて欠点を上げるとするならば,少し通気性が悪いということと,だんだん眠くなってくるということだろうか.それを差し引いても,この椅子で作業する快適さは揺らがない.

こういう後傾姿勢はエンジニア的にも導入事例があるようで,Mixiのエンジニアのオフィスではクルーズ&アトラスという机と椅子のセットを導入しているらしい.これは椅子自体が後傾姿勢をサポートしているのはもちろん,机もそれに合わせて傾けられるというもので,まさに自分の追い求めているものにかなり近い環境だと言える.実際に座ったことはないので自分に合うかどうかはわからないけれども,一度は試してみたい.

そんなこんなで思い切ってアームチェアを買ってしまったのだけれども,今のところかなり快適に過ごせている.もし椅子の悩みを抱えている人がいるなら,オフィス用の高い椅子を買うという選択肢以外にも,こういう代替案があるということもぜひ知ってもらいたい.まあ会社では使えないかもしれないが…….



声優ラジオの知見をより一層深めるために超!A&G+のストリーミングを録画する環境を作った.

(追記2014/4/2:y_benjo氏がより書きやすいyaml構造のスクリプトに改良してくれているので,そちらも参照https://gist.github.com/ybenjo/9904543)

(追記2014/11/23:rtmpのURLを更新)

(追記2015/04/13:以下のスクリプトにはバグが有ります.ybenjo氏のスクリプトを利用して下さい:https://gist.github.com/ybenjo/9904543)

注意

この記事に含まれているスクリプトの利用はすべて自己責任でお願いします.また,この記事に関する質問等は一切お答えしませんのでご了承下さい.

録画環境

想定している環境は以下の通り.

  • 常にインターネットに繋がっていてRubyが動いてcronが回せる環境
    • スクリプトを定期実行して録画を開始・停止する
    • Mac OS XもしくはLinux推奨
  • RTMPDump
    • AGQRの録画
  • FFmpeg
    • flvからmp4へのエンコード

録画スクリプト

録画したい番組の情報をschedule.yamlに書き,cronで定期実行するagqr.rbが録画を実行する.スクリプト冒頭のradio_dir,rtmpdump,ffmpegは各自の環境に合わせて変更する.

運用

ディレクトリとファイル

スクリプトや録音ファイルなどを置くradioディレクトリは以下のように設定する.実行時に必須なのはagqr.rb,schedule.yaml,fileおよびtmpディレクトリ.なおtmp以下のflvフィアルは自動的に削除されないので,不要になれば手動で削除する必要がある.

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$ tree radio
radio
├── agqr.rb
├── file
│   ├── *.mp4
│   └── tmp
│       └── *.flv
└── schedule.yaml

cron

cronによる定期実行は以下のように毎時29分と59分にスケジュールし,開始15秒前から録画がスタートするように45秒スリープしてからagqr.rbを実行する.

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$ crontab -l
29,59 * * * * sleep 45;cd /path/to/radio;/usr/bin/ruby /path/to/radio/agqr.rb

schedule.yaml

録画スケジュールを管理するschedule.yamlは以下のように設定する.ファイル形式はYAML,それぞれの録画スケジュールは順不同.

  • record: true/false
    • 録画をするかどうかを指定する
  • title:
  • personality:
    • パーソナリティがいない(titleに含まれている)場合は空白で良い
  • date:wday:
    • 曜日を指定.月曜なら1,火曜なら2という具合に.
  • date:hour:
    • 開始時刻(時)
  • date:min:
    • 開始時刻(分)
  • date:time:
    • 録画時間(秒)
    • 開始15秒前から録画スタートするので,30分番組なら1815,1時間番組なら3615といったように15秒多めに指定した方が良いかもしれない.ここは各自で調節する

参考



3/24から28までクックパッドのインターンシップに参加してきた.あんまり写真は無いけれども,一人の参加者として考えたこととか感じたことを書いていこうと思う.

参加前

ESとウェブテストを受けて合格の連絡を貰うとともに,人事の方に「iOSかAndroidのネイティブアプリの開発をしてもらいたいのですが」と言われ,iOS開発の方を選ぶ.インターン参加の連絡を受けてから1ヶ月近くは,とにかくiOS開発の勉強に追われた.結果から言うと参加者の大半はネイティブアプリ開発の初心者だったのだが,それぞれの技術力は高く,自分としても準備しておいて良かったと本当に思った.

インターン期間中

1日目は全員が集まってまずは自己紹介.参加者は合計で11人.個性豊かなメンツが揃っていて,上は博士後期課程から下は高専生,ガチなプログラマーがいたり,はてなインターンの経験者がいたりと,本当にバリエーションに富んでいて面白かった.

開発環境などのセッティングを済ませて,その後は複数の社員の方からクックパッドの社内でのものづくりの考え方や具体的なエンジニアリングについての話を聞く.クックパッドといえば(個人的には)トップレベルのウェブエンジニアの集まりという印象を持っていたけれども,実際にはユーザを中心としたサービスを支えるための技術というハッキリとした意図が見えて良かった.

1日目午後から最終日までは,ひたすら自分で決めたテーマのアプリ開発.ここからはとにかく時間に追われながらの作業で,最終日までに実機で動くアプリを作成するのに精一杯だった.iOSやAndroidアプリは往々にしてウェブサービスのインターフェイスとしての要素が強く,逆に言えばアプリのコードだけ書いてもコンテンツが無ければ何も面白く無い場合が多い.そのため,参加者はそれぞれ既存のウェブサービスのAPIを探したり独自でAPIサーバを立てるなど,アプリに入る以前にそれらを利用・開発することが求められる.それに加えてアプリには当然ながらデザインが欠かせない要素としてあって,いかにUI/UXな部分を洗練させて操作画面の構成やアイコンなどを作り上げなければいけなく,アプリ開発中は本当に一人で何でもやる必要があった.

料理

4日目の昼飯は,僕が進んで申し出て料理を作った.当日の進捗報告でインターフェイスについてコテンパンにされた直後に自分だけキッチンに立って他の参加者の作業を尻目に料理していたわけだけど,結果的にはみんなに美味しいと言ってもらえて最高に嬉しかった.

作ったのは「チョリソーと夏野菜のラタトゥイユ」と「鶏肉の香草焼きとマッシュルームの付け合わせ」.あとは生ハム&チーズ&クラッカー的なやつとバケットと一緒に食べた.11人分作る必要があって死にそうになったけど,結果的に作りたての料理をテーブルに並べることができて我ながら良い出来だと思った.

作ったiOSアプリ

さて,自分は今回「NICOMI」という日常のちょっとした変化を撮り続けるカメラアプリを作成した.詳しくは発表資料を参照.アプリを公開とかはしません.

なんで今さらカメラアプリなんて作りたかったということを少し書きたい.

スマホのカメラアプリは既にInstagramやVineなどの独擅場になりつつあるが,それらは被写体が面白いものであったり何か強烈なメッセージを発している場合が多い.しかもそれは単体でコンテンツになりうることが殆どだ.そういうモノに対して人はカメラを向けるのは至極真っ当なんだけど,本当はそれ以外にも日常の風景や些細なモノを写真に撮りたいと感じているはずだと思う.だけど,それを撮るには理由がない.iPhoneの中によくわからない空の写真や町中の写真が一杯詰まってても奇妙に思うだけだろう.しかし,なにか理由があればそれは正当化される.写真の背景にあるストーリーがあれば,「これはこういうアプリがあって,そのために撮ったんだよ」と人に説明できる.そういう理由付けとしての日常のちょっとした変化をテーマにしてユーザに提供するアプリが作りたかった.当初は完全に運営側がユーザに撮ってもらうテーマを提供する予定だったが,それだと面白くないということで,ユーザからもテーマを投稿できるようにもした.

それに,変化を楽しむというのも重要なポイントとしてある.誰も友達が数日前・数週間前・数ヶ月前に撮った写真のことなんて覚えていない.覚えてても,それを紐づけることは難しい.だから,定期的に写真を撮るというモチベーションを与えつつ,それを一覧できるサービスを作りたかった.結果的にただの写真まとめアプリみたいになったけれども,なんか考えていることを形にできたので自分としては満足している.

成果発表

他の参加者のアイデアも本当に面白いものばかりで,開発期間中にもっと話して議論したかったと真面目に後悔するレベルだった.アプリのインターフェイスが独創的だったり,操作を極力減らしてn-stepを1-stepにするものだったりと,自分では考え付かないようなことがばかりで素晴らしかった.それこそ利益化につながらないかもしれないし,それだけではユーザが付かないかもしれないけれども,アイデアの原石としては光るものが確かにあった.

これから1年後や5年後に台頭してくるサービスがあったときに「それ自分も考えてたよ」なんて言うのは簡単だけれども,そのありふれたアイデアを実際にブラッシュアップしていくことが,将来の人々の本当の価値に繋がるんじゃないかと思う.そういう意味で,いろんなバックグラウンドの人が考えたいろんなアイデアを聞くのは本当に楽しいし,そこで既存サービスを引き合いにだして将来性の無さを嘆くんじゃなくて,足し算や引き算を繰り返して洗練したものは,きっと純粋に面白いサービスになると僕は信じている.

さいごに

このインターンは本当にいろんな人にお世話になりました.インターン全体のサポートとして参加者と密にコミュニケーションを取ってくださった@mrknさんや人事の方を始め,参加者に着きっきりで技術面のサポートをしてくれたメンターのお二人,そして同じ時間同じ場所で切磋琢磨し合った参加者の皆様,本当にありがとうございました.

おまけ

懇親会終わりのマックスの疲労とテンションの高さも相まって道路脇のコーンを抱える@moznion氏.

他の参加者のレポート



アカデミー賞2冠の「アナと雪の女王」(原題”Frozen”)の公開が今週に控えて非常に楽しみなのだけれども,それに先駆けて主題歌”Let It Go”のシーンの抜粋がディズニー公式で上がっていたので,その感想を少し書き出そうと思う.ちなみに動画内で歌っているのは題名にあるアナではなく,その姉のエルサらしい.

当然映画本編は見てないし予告編をチラッと見たくらいでストーリーも大雑把にしかわからないのだが,この動画が伝える情報量ははるかに多く,歌詞も相まって彼女の置かれている境遇や心境が手に取るようにわかる.テーマ的には身分や責務という束縛からの解放,典型的な通過儀礼の初っ端というところだろうか.

さて,歌いながら彼女が何をしているかといえば,単に着替えているだけなのだけれども,その意図が非常にわかりやすい.それまで着ていた伝統的かつ高貴なドレスから,グローブを取り,マントを脱ぎ捨て,髪留めを放り投げ編んでいた髪を解き,最後には自分で作り上げた自由なドレスへと変身してしまう.つまりは他人に押し付けられた衣装を脱ぎ捨てていくという行為が,自分らしさを取り戻していくという過程につながっている.歌う時のジェスチャーもまさに心境を反映したものであり,最初は両手を握り胸の当たりに当てて戸惑う雰囲気をだしつつ,ドレスを着替えた後半からは両腕をめいっぱい広げ堂々とした姿で力強く歌い上げる.曲の盛り上がりも相まって,まさに解放,まさに自由といったパワーを感じる.また,最後のバルコニーでの振り向きざまにドアが閉まるシーンも,その後の彼女の心境として象徴的だ.故郷や地位の抑圧から解き放たれた彼女は自分らしさを獲得したが,一方で客観的に見れば彼女は自分自身の殻に閉じこもってしまったということなのだろう.

というわけで,この映像だけでバッチリ予習もできたことだし,早く本編を見たいところ.姉と妹という関係が物語にどう影響してくるのかが気になる.それにしても,動画を何度見返しても髪留めの放り投げ方が凄まじいのがすごい気になる…….